家具のデザイン

これまで、建築の設計に加えて〈 置き家具 〉のデザインをまかされるケースもありました。 なかには購入された新築超高層住宅の家具一式のデザインをたのまれたことも何回かあり、家具が納品されてその空間が見違えるようにすてきになったのを見て、「わたしの家がこの超高層住宅のなかで一番よくなった!」とよろこびのことばを話された女性クライアントもいらっしゃいました。
 
写真のなかのJOYという名称がついているものは、「コンパクトなオフィススペースのための白い家具」という性格を一応もたせています。 しかしアトリエに営業で来訪した方がご自宅用にJOYΦを購入されたことがありましたし、JOY2000については、そのデザインのバリエーションとして寸法をかえた矩形平面のものやスクウェアの形状のものなども住宅用につくってきました。
JOYΦは、平面形状がw1210×d750㎜で、そのプロポーションは黄金比です。 両サイドがパネルでふさがれていないので、棚類に接して配置しても棚類へのモノの出し入れができます。
 
moonwalkは、設計したお宅のキッチン内のカウンター用にデザインしたもので、重さがわずか1.6㎏しかありませんので2リットルボトルド水より軽いです。 ていねいに使ってくれることがわかっているので、こうした軽快なデザインが可能ですが、万が一を避けて安全側で安全側でとデザインする一般市販品ではこうはいかないでしょう。
 
アクリルを使って、照明器具や傘立てなどいろいろのアイテムをつくってきました。 デザイン次第で結果はことなってきますが、アクリルは〈 あたたかみ 〉と〈 軽やかさ 〉を実現できる現代的な素材であると思います。
3種類のアクリルを組み合わせたsilkymoonは、私にとって特別な思い出がある作品です。『現代日本の家具』という本に作品を発表したときのことですが、出版記念の展覧会が開催され、それにこのフロアランプを出品しました。 その展覧会に大学の恩師がふいに来訪され、このフロアランプを気にいったからと一台オーダーしてくれたのです(→上段中央写真)。 身の回りに厳選したデザインのものしか置かない恩師ですので、私にとってほんとうにうれしいできごとでした。